2008年03月27日20時33分

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2008年03月27日20時33分     政府の教育再生会議（野依良治座長）が５月の第２次報告のとりまとめに向け、再び動き出した。教員免許更新制導入などを打ち出した第１次報告づくりの過程では土壇場で事実上の骨抜きが目立った。各論に入ると、これまで以上に調整が難航するのは必至。頼みの綱となる国民的関心をいかに盛り上げられるか。再生会議の“本気度”が試されている。　「さらに次の報告に向け、教育再生にふさわしい枠組みとなるものをとりまとめてほしい」。２月22日、安倍晋三首相はほぼ１カ月ぶりに顔を見せた教育再生会議合同分科会でこう強調した。しかし委員たちの表情は硬いまま。山谷えり子首相補佐官も事務的な連絡以外、ほとんど口を開かなかった。　第１次報告では教員免許更新制導入や教育委員会改革など「４つの緊急対応」を盛り込んだ。いずれも今国会への法案提出にメドが付きつつある。とはいえ、教員免許更新制は「ダメ教師は教壇に立たせない」と主張していた当初の構想からは大幅に後退した。自動車免許のように講習を受講すれば容易に更新できる程度の更新制……。教委改革でも国の権限強化に反発する地方自治体に配慮して小幅な改革にとどまった。　ある委員は「予想以上に関係方面の抵抗は強かった」と振り返る。最終段階では再生会議の提言を踏まえた法案化作業を巡り、中央教育審議会（文科相の諮問機関）と与党、地方自治体などの調整にばかりに注目が集まり、「再生会議の提言はどこにいってしまったのか」と嘆く声も出た。　「教科書検定制度の見直し」「国語や算数などを基本的教科として重点教科」「夏休みの１週間短縮」――。14日に開いた学校再生に関する分科会で、主査の白石真澄東洋大教授らが提示した今後の検討課題には意欲的な提言が並んだ。いずれも現役の教師や教育委員会などが見れば「反対の大合唱が出る」（再生会議関係者）可能性が高いものばかり。それでも元文科次官の小野元之委員は「第１次報告以上に目玉をつくらないといけない」と強調する。　再生会議全体を見渡すと、発足当初の熱気は冷めつつある。企業経営者と学校法人理事長の２つの肩書を持つ渡辺美樹氏や百マス計算の実践者の陰山英男氏、ヤンキー先生として知られる義家弘介氏ら教育界では異端児的な存在が顔をそろえた再生会議は当初こそ注目度は高かった。しかし、第１次報告のとりまとめの段階で、こうした“異端児”らは現実的な対応を迫られ、一部の委員からは「やる気がうせた」との声が漏れた。　「本当に視察なんかする必要があるのか」――。再生会議は第１次報告のとりまとめ後、地方視察に乗り出したが、ある委員は会議の場で公然と疑問を呈した。与党幹部も「教育問題の議論はすでに煮詰まっている。早急な改革が必要なのに今さら視察とは……」と苦笑する。実際、視察したところで参加する委員は毎回限られており、会議の運営方法を巡っても依然として手探りが続いている。　頼みの綱の国民的世論の盛り上げでも消極的だとの指摘がある。議論の過程を透明にすべきだとの意見を踏まえ、分科会の審議状況を公開する方向になったのに、最後の最後で非公開に戻った。理由は「コンセンサスを得られなかった」というもの。ほとんどの委員が公開すべきだと主張していたにもかかわらずだ。　「世論を味方に付けなければいけないときに公開できないと、味方につける自信がないと思われてもしょうがない」。ある委員は首をかしげる。第２次報告のとりまとめまであと２カ月。教育再生を掲げる安倍首相の口からこれまで教育改革の各論が語られることは少なかった。首相の本気度もいよいよ問われる。  一方、日本航空は３月末までＭＲＪ導入の方針決定を見送る。「性能やアフターサービス面で、現段階では不明な点が多いため」（幹部）としている。発注を決める場合でも納入時期は早くても２０１５年以降になるという。アサヒ・コムトップへ解説の依田紀基九段は「難解な競り合いが、全局へと波及しそうな勢い。両者の読み比べがどんな方向に進んでいくのか、目が離せない」と話している。   　製紙各社の印刷用紙の値上げが出そろった。原燃料コストが上昇しており、製品価格に転嫁したいというのが各社の共通した狙い。値上げ幅も８―10％以上とほぼ横並びとなったが、交渉は難航しそうだ。　８月初め、製紙各社の先頭を切って日本製紙が値上げを発表して以降、三菱製紙、中越パルプ工業、大王製紙が相次いで追随した。しかし、買収攻防のさなかにあった王子製紙と北越製紙は値上げ表明を見送っていた。株式の公開買い付け期間中に値上げを打ち出し、需要家である印刷業界の反発を招くのは得策でないと判断したためだ。しかし、９月に入ってＴＯＢ（株式公開買い付け）が不成立に終わると、王子製紙が早速、代理店に値上げを要請。北越製紙も追随した。　各社の表明は出そろったが、値上げの環境が整ったとは言い難い。１つは在庫。主要４品種（上質紙、上質コート紙、軽量コート紙、微塗工紙）の全国在庫（メーカーと代理店の合計）は７月末には80万1525トンと、前月比２万5134トン増えた。在庫率（出荷に占める在庫の割合）は146％と、適正水準といわれる120％を大きく上回る。中国などからの輸入紙が増加していることも、需給関係の緩和につながった。　「需給環境からみれば値下がりしていても不思議でない状況。各社の値上げ表明も値下げを防戦するのが狙いでは」（流通）との声が出ているほどだ。　製紙の値上げ姿勢にも温度差があるとみられている。今回のＴＯＢでは王子製紙が、事実上の敗北宣言に追い込まれた。「プライドの高い王子が、このまま他社の収益改善の助けになる値上げを同じ歩調で進めるとは考えにくい」（代理店）。来年以降、大王製紙、日本製紙、北越製紙、王子製紙と、大手の設備増強が相次ぐが、それを前に「価格競争の火ぶたはすでに切られている」との声も出ている。